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コストダウンマニュアル

..機械のコストダウン(コストアップ回避)方法
機種選定
       
機種選定や購入先(メーカー)選定で、最終的に重要視されるのは、価格です。
千円でも安い機械を買いたいという気持ちはわかりますが、「修理マン」としてアドバイスさせて頂きたいことがあります。

例えば、梱包機が良い例で、梱包機は多種多様で、メーカーの数も非常に多いと言えます。
ですから、低価格の製品を探し出すのは容易だと思います。
しかし、購入後のことをお考え下さい。
もし、その機種が「複雑な構造で壊れやすい機種」だったりすると・・ 機械には、保証期間がありますが、それを過ぎると修理を含むメンテナンスは基本的に有償となります。
機械のトラブルが頻繁にあると、その分、メンテナンス費用が高くなります。
また、複雑な構造であれば、メンテナンスに時間がかかるので1回の費用も高くなります。
メンテナンスの価格は、時間計算する業者が多いからです。
シンプル構造で故障が少ない機種は、修理を依頼することは少なく、しかも、シンプル構造のためメンテナンスに時間がかからないため、故障しても費用が安くなります。
この機種が、たとえ高価であっても、長い目で見ると「安価」ということになります。

当社は、メンテナンス専門のスタッフがいるので、メンテナンス費用を考慮して、機種選定します。
機械そのものの価格は、高くても、メンテナンスの費用を考慮するとかえって安くなることもあります。
数万円安い機械を購入しても、メンテナンスで、他機種より10万円以上必要となれば、機械そのものが安いという理由で購入する意味がなくなってしまいます。
実際に、今までの経験で、機械によっては購入後、5年間で見ると壊れやすい機械と壊れにくい機械とでは、時に10万円以上変わることもありました。
ご希望があれば、包装機械については、メンテナンス費用も考慮したトータルコストを提示致しますので、製品だけの価格で判断されないことが重要です。
紐掛機の機能
現在、大半の紐掛機メーカーが「カミコミ防止機能」を追加していて、最近の紐掛機で頻繁にカミコミトラブルを起こすということはなくなりました。

山田機械工業製紐掛機についている「カミコミ防止機能」は、古い機種でも追加できますから、カミコミトラブルが頻繁に発生しているようであれば、当社は、この「カミコミ防止機能」を追加するよう、お勧めしています。
カミコミトラブルが発生しても肝心なカミコミ対策を行わないとカミコミ修理は減りません。
カミコミトラブルが多い場合は、他に原因があるのではないかと疑うだけではなく、「カミコミ防止機能」の追加も検討して頂きたいと思います。
(メーカーによっては「カミコミ防止機能」が取り付けられない機械があります)

また、「カミコミ防止機能」がない機種は、一般的に安価と言えます。
しかし、機械自体に「カミコミ防止機能」がある機械と比較して、「カミコミ防止機能」が無い機械ではカミコミトラブルが発生しやすいために、修理回数が多くなり、メンテナンス費用がかかります。
ということは、イニシャルコストは低くても、ランニングコストは高いのです。
機械購入時に安くても、5年間のトータル価格を考慮すると、「カミコミ防止機能」がある機械の方がお買い得ということがよくあります。

紐掛機だけではなく、機械を購入する際には、メンテナンス費用も含めてコスト計算をするべきだと思います。
ランニングコスト
例えば、紐掛機や梱包機の場合、結束不良が頻繁に発生しても、我慢してそのまま使用し続けた場合、結束不良による、紐・バンドの無駄遣い以外に目に見えない「無駄」として、時間のロスが挙げられます。
この「無駄」として時間のロスは人件費などとしてランニングコストに影響してきます。

足踏み式の紐掛機・梱包機であれば、結束不良の紐・バンドの取り外し、セッティングのやり直し、再起動という時間のロスが発生します。
1回のやり直しが10秒ぐらいでも、1日に60回発生すれば10分になり、22日/月稼働として計3時間40分、1年間では44時間になります。
パートさんの時給を800円で計算すると35,200円になります。
これは1人計算ですが、数人が残業しますので、実際は何倍にもなりますし、トラブルが多ければ、それ以上になり、時には10万円を軽く超えてしまうのです。

足踏み式ならまだましで、自動機のトラブルの場合、ライン停止となり、生産そのものに影響を与えます。
また、ラインコスト(機械リース料と人件費など)を考えますと、1分間止めるとユーザーさんにもよりますが4,000円~5,000円くらいになると思います。(30分の機械停止で120,000円~150,000円くらいになります)
その他、ラインの一部を止めることで生産スピードを落とし、製品を途中で下ろすために人手がかかりますし、場合によっては、作業員を増やさなければならないし、後に結束作業をしなくてはいけません。

このように、あまりにトラブルが多い場合は、新品に買い換えた方がかえって、ランニングコストがダウンすることもあります。
ネット通販
時代の流れか、半自動梱包機くらいなら、ネット通販のサイトでは頻繁に見かけます。
半自動梱包機は、小型・軽量で、おまけに安価ですから、ネット通販でも販売されやすい機械ということになります。
中古品はもちろん新品も販売されています。
ネット通販の場合、全体的に「安い」と思います。
事実、新品では一般の流通価格ではあり得ない価格設定がされていることがあります。
安いのは、それなりの事情があるかもしれませんが、購入の際、注意しなければならないことがあります。
それは、「保証」です。

家電製品でお馴染みですが、製品にはほとんどの場合、「メーカー保証」がついてきます。
当然、包装機械にも「メーカー保証」があり、ネット通販の場合でもこの「メーカー保証」はあります。
しかし、注意しなければならないのは、この「メーカー保証」は、「メーカー持ち込み」が前提になっていることがあるということです。
いくら半自動梱包機が軽量小型と言っても、家電製品のように手軽に持ち込むことはできません。
また、包装機械の場合、家電メーカーのようにメンテナンス事業所の拠点は多くはありませんので、包装機械メーカーの工場に持ち込まなければならないということになります。
現実的には、それはできませんので、結局、メーカーに送料元払いで送らなければなりません。

半自動梱包機と言えども、修理は出張修理が当然だと思いますが、ネット通販の場合、保証期間内でも出張費を請求されることもあります。
では、やはり、メーカーに送るかということになりますが、修理が完了して送られてくるまで使用できないことになります。
しかも、送られてきた時は、送料着払いということになっています。

ネット通販は、「自己責任」という一面があるということを知っておかなければならないのです。
ですから、包装機械でネット通販を利用されるユーザーさんは、購入の際、十分「保証条件」を確認されることをお勧め致します。
「コストダウン」のつもりが、結果的に「コストアップ」になったということもあるのです。

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